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ナス科トマト属の1年草。原産地は南米ペルーやエクアドルなどのアンデス高地地帯で、16世紀頃にヨーロッパに広まったといわれています。当時トマトには毒があると思われており、観賞用として栽培されていましたが、飢餓に苦しんでいたイタリアで食べられたことがきっかけとなり、食用としての栽培が広まりました。日本へは17世紀の半ばに伝わり、ヨーロッパと同様に観賞用として栽培されていましたが、明治以降食用としてヨーロッパやアメリカから導入されたといわれています。
(JA仙台管内の主な生産地:松島・多賀城・高砂・泉地区など)
たなばたけ高砂店
中村 範子(なかむら のりこ)さん
トマトは、ミネラルやビタミンがまんべんなく含まれる栄養満点の野菜です。
特にトマトの色素成分リコピンは、抗酸化作用が高く、ガンや生活習慣病の抑制、美肌効果などがあると言われています。
また、リコピンは熱に強く、油に溶けやすいため、加工品にも同様の効果を発揮します。トマトはどんな調理法でもきちんと栄養が摂れる万能野菜なんですよ。
新鮮さを見るひとつの指標として、ヘタを見ます。トマトは実よりもヘタの部分の方が水分の蒸発が早いので、ヘタがしなびずに青々としているものを選びましょう。
また、トマトは完熟しすぎるとやわらかくなって、甘味も薄れてしまいます。表面が固く、ずしりと重たいものを選びましょう。
まだ完熟していない青いトマトは、低温に弱いので、常温で追熟させましょう。
完熟した赤いトマトは、ヘタの部分を下にしてポリ袋に入れるか、ラップに包み冷蔵庫で保管すると、比較的長持ちしますよ。
ツル性の植物で、栽培や仕立て方によっては10mほどにまで伸びます。生育の適温は25℃~30℃で温暖な気候を好みます。連作障害を起こす植物で、青枯病などが出やすくなります。連作障害を避けるためには、通常同じ土地では3~5年期間を空けたほうが良いとされています。
トマトは比較的乾燥に強い植物です。水やりは控えめに行いましょう。水を与えすぎると、根腐れを起こしたり、果実が大きく育った時に裂果してしまう恐れがあります。土の表面が乾燥していても、少し掘ると十分に湿っている場合があるので、一つ目安としては、葉が少し萎れてきてから水をあげると良いでしょう。
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苗を植え付ける2週間前に化成肥料を150~200g/㎡施し、20cm程度の深さで耕します。その後、畝幅70cmの畝を作ります。
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株間50cmで苗を定植します。苗を深く植えすぎると疫病にかかりやすくなるので、子葉が土中に埋まらないようにしましょう。その後支柱を立て、生育の都度、苗が倒れないように、ひもなどで結びましょう。
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果実に養分を十分に行きわたらせるために、葉の付け根から出る腋芽を取り除く必要があります。腋芽を見つけたらその都度、手で摘み取りましょう。また、黄色に変色した下位の葉や、病気になった葉も見つけ次第かき取りましょう。
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トマトは収穫期が長いので、土壌中の養分を欠乏させないために追肥が必要です。最初の果実が赤くなり始めたら化成肥料を20~40g/㎡、苦土石灰を10g/㎡程度施します。その後15~20日ごとに同様に施しましょう。
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着色の具合を見ながら順次収穫しましょう。収穫後は低温で保存しましょう。
うちの一番のこだわりは、品種ですね。
うちでは、設立当初から「桃太郎8(エイト)」を栽培しています。
この品種は、昔からの品種で晩生な上に病気にも強くありません。そのため、手間がかかる上に栽培が難しいのですが、うま味があり、食味のバランスも良く、トマトで一番おいしいと自負しています。
現在は、早生で病気にも強く、低温でも育つような新しい品種が出てきていて、この品種を栽培する農家はほとんどいません。しかし、消費者の方に本当においしいトマト食べてもらいたいですし、消費者の皆さんもそういうトマトを求めていると考えて、栽培を続けています。
消費者のみなさまとの積み重ねで今があります。
今後も消費者との交流活動を行いながら、妥協せずに本当においしいトマトを作りつづけたいですね。
みずみずしいトマトが順調に育ちます。
出荷作業を丁寧に行います。
代表取締役(有)サンフレッシュ松島
内海 正孝さん
平成2年に就農。平成11年に(有)サンフレッシュ松島を設立し、ハウス1ヘクタールで桃太郎8(エイト)の栽培をパートら17人で行う。JA仙台を通じ、県内のヨークベニマルやイオンを中心に、地元旅館や札幌、秋田、横浜のスーパーにも出荷する。
現在は、イチゴ栽培にも取り組むほか、新たにマキシマファームを設立し、トマト栽培の規模拡大を図っている。
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カワシマ ヨウコ先生
野菜ソムリエ プロ
フードコーディネーター