もっと身近に。JAと消費者をつなぐ情報サイト
タマネギはヒガンバナ科ネギ属の1、2年草。原産地はインド北西部から中央アジア南西部でその後ヨーロッパに伝わったといわれています。日本には江戸時代末期に導入され、明治時代には北海道で春まき栽培が、大阪府で秋まき栽培が開発され、各地に栽培が広がりました。タマネギには大きく分けて、辛みのある辛タマネギと辛みのない甘タマネギ、小球を利用する小タマネギなどがあります。
辛タマネギは球の外皮が厚く貯蔵性が高いが、甘タマネギは外皮が薄く貯蔵性は低いと言われています。
(JA仙台管内の主な生産地:中田、六郷、高砂地区)
たなばたけ高砂店
角力山 拓馬(すもやま たくま)さん
タマネギを切ると涙が出てきますが、その涙を出させている成分は硫化アリルといいます。
この硫化アリルには、消化液の分泌を助けて食欲を増進する作用をはじめ、血液をさらさらにして動脈硬化を予防する作用があるとされています。
しかし、硫化アリルは水溶性の成分なので、辛味を和らげる為に水にさらすなどした場合には流れ出てしまうときがあります。十分にタマネギの効果を得たい場合は玉ねぎを出来るだけ水につけずに調理しましょう。
タマネギの外側の皮がしっかり乾燥していて、ツヤツヤなものを選びましょう。外皮に締りがなく、浮かびあがって見えるものなどは、皮の下にカビが生えている可能性があるので注意してください。
貯蔵性は春タマネギよりも秋タマネギが高いです。好天日に収穫後、冷暗所に1~2ヶ月ほど置いておき、その後冷蔵庫に移すと、秋タマネギは翌春の5、6月頃までもちます。
球の肥大には日朝と温度が関係し、日長が早生品種では12時間、晩生品種では13時間ぐらいの時に15~20℃だと肥大がはじまります。
生育の適温は15~20℃で冷涼な気候を好みます。耐寒性は強いが、寒地・寒冷地では越冬できません。連作はできますが、同じ土地では1~2年期間を空けたほうが良いでしょう。
タマネギは浅根性で吸肥力が弱い植物なので、雑草は早めに取り除き、肥料をしっかりと吸収させる必要があります。保存性は秋タマネギが高く、春タマネギで低いので、家庭菜園では利用時に収穫しましょう。
1
苗を植え付ける2週間前に化成肥料を100~150g/㎡と過リン酸石灰を30g/㎡施し、15cmの深さで耕します。その後、畝幅60cmの畝を作ります。
2
条間30cm株間15cmで苗を2~3cmの深さで定植します。良い苗の大きさは高さ20~25cm、株元の太さは直径5mm程度です。苗の高さが30cmを超えてしまった場合は、先端を切って植えましょう。
3
追肥は定植1か月後と玉の肥大が始まる頃に2回行いましょう。施肥量は1回につき化成肥料を50~80g/㎡程度です。追肥は中耕や雑草抑制をかねて条間と畦間に施肥しましょう。
4
追肥後に、条間と畦間の土を苗に寄せて、苗の倒伏を防止しましょう。除草効果や土壌の通気性を良くする効果などがあります。
5
葉が大きく成長し、倒れたものから葉が青いうちに収穫しましょう。保存する場合は、天気の良い日に収穫し、風通しの良い場所で、乾燥させましょう。
まずは、良い苗づくりですね。水管理に気をつけて、丁寧な栽培を心がけています。あとは、追肥のタイミングが難しいですね。湿気に弱い作物なので高うね栽培を心がけていますが、生育や水はけのチェックで、毎日畑に通っています。
それから、自分にとっては、楽しんで栽培できるかが大切ですね。タマネギは、ソフトボールサイズを目標につくっています。収穫した時に良いものが出来ると、自分のテンションも上がりますし、「次はもっと良いものをつくろう」と原動力にも繋がりますね。
農業に関して、自分に納得はしていません。現状に満足しないことで常に上を目指し、これからも成長し続けたいですね。
豊作のタマネギ
ソフトボールサイズのタマネギ
JA仙台青年部 原町支部部員
高沢 友宏さん
平成3年に就農。母と水田3ヘクタール、畑35アール、ハウス1棟で農業を営む。タマネギ、長ネギ、大豆、ハクサイなどを中心に、少量多品目で年間10品種以上の野菜を栽培。出荷先は農産物直売所たなばたけ、市場、地元スーパーのインショップなどに出荷。楽しく続けられる農業を目指す。
2
4
カワシマ ヨウコ先生
野菜ソムリエ プロ
フードコーディネーター